東野圭吾 夜明けの街で







不倫の話です。
東野さんとしては珍しい話です。
しかしそこに殺人事件が絡んでくるので、簡単には終わりません。


建設会社に勤務する四十前のサラリーマンである渡部が、派遣社員としてやってきた
仲西秋葉(あきは)と出会います。


最初は何もなかったのですが、偶然からこの2人は急接近して行きます。
そして気が付いた時には深い仲になっていました。

渡部は妻子ありで、秋葉は独身です。
秋葉は渡部が妻子ありであることをもちろん知っています。

この2人はどんどんと深い仲になって行き、後戻りできなくなります。
渡部は上手く妻を騙しながら、秋葉と付き合って行きました。



この2人の不倫で話が終われば簡単すぎます。
この話は、秋葉の過去により、一気に新たな展開を見せます。


東野さんらしく秋葉の家族の話が大事になってきます。

秋葉は父と2人暮らしのような家族で、父と母は離婚し、その後母は亡くなります。
母は、うつ病で自殺したということです。

そして実は父は不倫していたのです。
さらに父の愛人が15年前に秋葉の自宅で殺された、ということも分かります。

その殺人事件の犯人は捕まっていなく、間もなく時効を迎えるということです。


これで終わりなら話は盛り上がりませんが、その殺人事件の容疑者の一人として秋葉の名前が
挙がっているのです。



渡部はこの事実を知り、心が揺らぎます。
渡部は秋葉と後戻りできない関係になりましたが、秋葉が殺人事件の容疑者と知り慌てます。


また時効前に、秋葉はまるで自分が犯人であるかのような発言を繰り返します。
それでも渡部は何とか秋葉と一緒になろうとします。


渡部と秋葉の関係と、殺人事件の真相という2つの話が絡み合って行きます。


そしてついに時効の日を迎え、全てが明らかになります。
15
年前に何があったのか、事件の真相は何なのかが分かります。


実は秋葉は15年前の出来事の全てを知っていました。
そのことを隠して15年間生き続けてきました。

父の不倫の真実、母との離婚の本当の理由、殺人事件の真相、これら全てを秋葉は知っていたのです。


時効の日、秋葉は全てを告白します。
全てを告白するのですが、渡部との不倫のことについても含まれています。


実は秋葉は計算を持って渡部と不倫していました。
渡部は秋葉に振り回されていたのです。


渡部は離婚し、秋葉と一緒になることを考えていましたが、秋葉には実はそんな気はなかったのです。

渡部からするとまさかの告白でしたが、秋葉の告白によりこの2人の関係は終わりを迎えます。
あっけなく2人の不倫関係は終わりました。


渡部は家に帰るのですが、そこで妻が待っていました。
妻は何も知らないと思われていましたが、実は・・・・・。



不倫の話ですが、殺人事件が絡む家族の話とも言えます。
また男の情けなさを描いている話とも言えます。


東野さんらしくないようで東野さんらしい話です。

少し違った東野ワールドを読んで行って下さい。







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