東野圭吾 時生







タイムトラベルの話です。
東野さん曰く「アホな男の話を書こうと思った」ということです。
この話の主人公である宮本拓実は本当にアホです。


だらしない男と言えますが、読んでいて腹が立ってきます。
本当にアホなのですが、最後にはしっかりと話がまとまります。


話は、宮本拓実が20年以上も前に、自分の息子に会ったことが
あるという話です。

息子は時生(トキオ)という名で、現在、重い病気に侵されています。
グレゴリウス症候群という病気で、徐々に体が弱って行き亡くなるという病気です。

その時生が今、苦しんでいるところから話が始まります。


そして話は宮本拓実の若い時、23歳の時の話になります。
時生と出会う前から始まります。


若い時の拓実はどうしようもないダメなやつでした。
何をやってもダメ、長続きしないダメ男でした。

しかしある時、同年代の時生という男性と出会います。
時生はいきなり拓実の前に現れ、それから行動を共にするようになります。

時生は遠い親戚ということでしたが、拓実は時生の正体を
知らないまま、行動を共にすることになりました。


拓実にはその時、千鶴という恋人がいました。
拓実は職を転々とし、収入もろくになく、事実上千鶴に
養ってもらっている状態でした。

ある日、拓実は警備会社に就職しようと思い、面接に出かけます。
しかし面接の時間前にパチンコ屋に入り、面接の時間に遅れます。

それもあり就職はできないのですが、愛想を尽かした千鶴は拓実の元を去ります。


話は千鶴が去ったことから、さらに進んで行きます。


千鶴はある男とともに東京から大阪に行った、というよりも
逃げたということが分かります。

その千鶴と男を追う旅が始まります。

この2人を追いかけるのは拓実と時生だけではありません。
他にも怪しげな連中が追っています。


千鶴が拓実の元を去ったのは何か大きな理由があります。
千鶴というよりも、一緒に逃げた男が大事になってきます。

千鶴は男に付いて行ったのです。

拓実は時生とともに、千鶴を探しに大阪に行きますが、その前に
名古屋に寄ります。


名古屋には拓実の生みの親がいるのです。


拓実は中学生の時に自分が養子であることを知ります。
そして実の母親を、自分を捨てたということで憎んでいます。

その憎い母親が病に倒れ、もう命が危ない状態になります。
拓実は母親に最初は会おうとはしませんでしたが、時生の説得もあり
会いに行きます。

母親と拓実の再会です。

しかし拓実は母親を許しません。
母親の元をすぐ去ります。


その後、拓実と時生は大阪に行き、千鶴を探し出します。
千鶴は男と一緒に逃げて、事件に巻き込まれていました。

拓実は痛い目に遭いますが、何とか千鶴を助けることはできました。


拓実と千鶴は大阪で再会しますが、寄りを戻すことはありません。
そこで千鶴が拓実に愛想を尽かした理由が分かります。


時生はその後もしばらく拓実と一緒にいますが、ある時にいきなり
拓実の前からいなくなります。

結果的に拓実、そして拓実の未来を救うことをして消えます。


拓実は最初アホでしたが、時生のおかげで未来が開けてきます。
そして現在に戻り、目の前で亡くなりかけている息子の時生に声をかけます。



この話は、タイムトラベルと言えますが、東野さんらしく家族の話になります。
宮本拓実というどうしようもないダメ男の家族が描かれています。


拓実の育ての親、拓実の生みの親、拓実の現在の家族という話になります。


拓実と生みの母親はもう一度会います。
そこで拓実に変化が訪れます。
これが感動を呼びます。

この話の一番大事な個所です。
拓実と生みの母親の最期をしっかりと読んで下さい。
憎かった母親に対し、拓実が何と言ったのか読んで下さい。




また現在の拓実は、過去に息子の時生と会ったおかげで
しっかりと生活をしています。

もうダメ男ではありません。


時生のおかげで変わっていく拓実を読んで下さい。



またこの話を読んだ後に「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を読むと良いと思います。
この2つの話は結構似ています。









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