大沢在昌 鮫島の貌(かお) 短編集







新宿鮫シリーズ初の短編集です。
10作が収められています。




区立花園公園


鮫島の新宿署就任時の話です。
新宿鮫シリーズが始まる前なので、この話が本当の第1話とも言えます。




夜風

暴力団と警察の繋がりの話です。
鮫島が一人で乗り込んで行きます。
警察官対鮫島、という新宿鮫シリーズらしい話です。





似た者どうし

鮫島の恋人、晶に関する話です。
晶がある少年と出会います。
その少年は、ある事件の容疑者でした。

また、この話では冴羽りょうが出てきます。
少年が何をしたのか読んで確かめて下さい。





亡霊

須藤という元暴力団員の話です。
いなくなったはずの須藤が鮫島の前に姿を現しました。

また別のところで事件が起こります。
事件と須藤がどう繋がっているのかも大事ですが、いなくなった須藤がなぜ姿を見せたのか
ということも大事です。


読んで行くとタイトルの意味が分かります。




雷鳴

ある酒場での話です。
その酒場にある暴力団員がやって来ました。

その暴力団員には事情があります。
その事情も大事なのですが、その酒場に偶然、鮫島がやって来ます。

鮫島と暴力団員なので、話は簡単ではないのですが、実はもう一人ある人物が関わって来ます。
その人物が誰で、何をしようとしていたのかは読んで確かめて下さい。




幼馴染み

鮫島の理解者である、鑑識係の藪の話です。
藪と鮫島と晶が正月に浅草に出かけます。

そこで藪の幼馴染みが出てきます。
藪は名字しか分からなかったですが、ここで「英次」という名前であることが分かります。
藪は二男で、兄は「英道」(ひでみち)と言います。

その藪の幼馴染みが誰なのかということが大事です。
少し笑いというか楽しさが入っている話です。
短編集ならではと言える内容です。




再会

鮫島の同窓会の話です。
そこである友人と再会します。
その友人と鮫島は高校時代、繋がりがありました。

そして今も繋がりを持とうとしています。
鮫島らしい同窓会の話です。




水仙

ある中国人女性に関する話です。
その中国人女性がある日、鮫島に覚せい剤に関する情報を流してきます。
鮫島はその情報に基づき、現場を取り押さえます。

この女性は何者なのか、という話です。
新宿鮫シリーズには美人タイプの女性がよく出てきます。
この女性もまさに新宿鮫シリーズらしい女性と言えます。

この女性の正体が大事な話です。





五十階で待つ

これは新宿鮫シリーズらしくない話と言えます。
「ドラゴン」という謎の人物に関する話です。

現場目線とも言える話で、鮫島は少ししか出てきません。
しかし鮫島の登場で、「ドラゴン」の正体が分かります。




霊園の男

鮫島の敵であった仙田こと間野の話です。
この話のおかげで、この短編集の価値が上がりました。

鮫島は間野の墓参りに行きます。
そこで間野の息子に出会います。

「狼花」で間野は亡くなりますが、息子と鮫島は間野の最期の話をします。
間野がどんな最期を遂げたのか、鮫島が説明して行きます。

この息子は鮫島に色々なことを聞いて行きますが、鮫島の味方などではもちろんありません。

息子と鮫島の会話で話は進みます。
そして間野が最後に言った「あ」とは何なのか、意味が分かって来ます。

鮫島は間野の「あ」の意味をずっと考えていました。


この話は「狼花」の続編とも言える内容です。
「狼花」を読んでから読んで下さい。







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