東野圭吾 ナミヤ雑貨店の奇蹟







短編集のような話です。
幾つかの話が一つにまとまります。


主人公は誰なのか分かりにくいですが、最後まで読むことで
主人公も話も分かります。


ナミヤという変わった名前ですが、これは「波矢」という名前になります。
波矢と変わった苗字を子供たちがからかい「ナヤミ」と読んでいました。



この話全体はタイムトラベルと言えます。
過去と未来が繋がっています。


時生」と同じようなもので、純粋な小説ではありません。

ミステリーなどでもありません。



波矢雄治という一人の老人がナミヤ雑貨店を経営しています。
そこに子供たちから相談を受け、波矢雄治が回答して行きます。

最初は子供たちからのたいしたことのない相談ばかりでしたが
徐々に本気の相談も増えてきました。


波矢雄治はどの相談にも真剣に答えて行きます。
子供たちからの相談にも真剣に答えます。


その相談内容や相談者が話の中心となって行きます。


色々な人が出てきますが、その人たちは一つに繋がります。
児童養護施設「丸光園」出身者ばかりであることが分かります。


子供の時、色々な問題があり、施設に預けられたものたちが
その後どうなったのかが分かります。


波矢雄治はその後亡くなりますが、ナミヤ雑貨店は続きます。
ナミヤ雑貨店がどうなったのかも大事になります。


波矢雄治に変わって相談に乗っていたのは誰なのかは
読めばすぐ分かります。


この相談者も大事になってきます。


また相談者と相談に答えている人の間には時間のズレがあります。
ここがタイムトラベルとなります。

過去から相談が来て、現代の者が相談に答え、それを過去に送り返す
ということをして行きます。

過去がどうなったのか分かっているからこそ返事ができるのです。
タイムトラベルらしい内容になっています。

何が起こるのか分かっているとどうなるのか、ということが分かる話でもあります。




また一見するとバラバラな話ですが、最後は一つにまとまります。
登場人物のそれぞれの人生がどうなったのか、読んで確かめて下さい。

最後にまとまるのは東野さんらしいです。
本当に最初の方は分かりにくいのですが、最後にはしっかりとまとまります。




これは通常の小説ではありません。
ミステリーでもありません。
事件も起きません。


それでも、読み応えのある話です。
読んだ後、しばらくの間、本の内容を振り返って下さい。
じんわりと味わえる本だと思います。



なお時生を読んでいると、読みやすい話ではあります。
できれば時生を読んでから読むようにして下さい。







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