東野圭吾 むかし僕が死んだ家







個人的にはお気に入りの話です。
これはタイトルが大事で、深い意味が込められています。


この話では2人が中心となります。
この2人は元恋人同士で女性の方は沙也加と言いますが
男性の方は名前が出てきません。


男性の方は、大学の研究助手をしています。
理学部物理学科第7講座という肩書になります。

ここでもやはり理系の人物が出て来ています。
東野さんらしいです。


この2人は高校時代の同級生で、高校時代から大学卒業まで
交際していました。
しかし今は別れています。

その2人が一緒に長野県へと行きます。


沙也加は他の男性と既に結婚しており、3歳の女の子がいます。
元恋人だった男性とは同窓会で7年ぶりに再会します。


そしてそこから沙也加の過去をたどる旅が始まります。
沙也加には子供の頃の記憶がありません。
その記憶を取り戻すため、また過去を確認するため、長野県へと向かいます。

あくまでも沙也加の過去をたどる旅であり、恋愛ものではありません。
この元恋人同士がよりを戻す、という話ではありません。




沙也加に関係していると思われる家が長野県松原湖周辺の
別荘地にあります。

謎めいている家が話の中心になります。
話はこの家の中でずっと進みます。


この謎の家には誰かが住んでいたようです。
色々なものがあり、日記もありました。

その日記を読み進めることで話は進んで行きます。
御厨(みくりや)佑介という少年の日記が見つかります。


その日記を読み進めて行くうちに、色々なことが分かってきます。


この家に住んでいたと思われる御厨少年の日記から、家族構成など
生活ぶりが分かります。

しかし途中から生活が一変します。

「あいつ」と呼ばれる人物が家に帰って来てから、この家はおかしくなります。

佑介少年の日記にも「あいつ」が何度も出てきます。


また「チャーミー」という名前も出てきたり、他の人物の名前も
少しずつ出てきます。

そして「さやか」という名前もその日記に出てきます。
「さやか」と沙也加が繋がりました。


しかし話はここからさらに進みます。
沙也加の過去がどういうものだったのか、日記を読みながら
沙也加自身が徐々に思い出して行きます。


そしてこの家の謎も解けます。


謎は沙也加ではなくて、男性の方が解いて行きます。
男性の方がこの家の謎に気が付きます。


そしてこの家の謎が分かり、沙也加の過去も分かります。



この話は沙也加の過去のことを探すものなのですが、タイトルは
「むかし僕が死んだ家」なのです。


「僕」なので男性のことになりますが、話は沙也加のことです。
このタイトルと内容のずれが、この話のメインでもあります。

なかなか読んでも分かりにくいのですが、プロローグとエピローグを
しっかりと読んで下さい。


実は話のほとんどが伏線なのです。
沙也加の昔をたどる旅も、実は伏線なのです。


これほど伏線だらけの話も珍しいですが、読んで行くと惹き込まれると思います。
プロローグとエピローグに注意しながら読んで行って下さい。


なおこの話のテーマは「児童虐待」となります。
児童虐待の話が所々で出てきます。
児童虐待の実情を知ることもできます。


個人的には一押しの話です。
あまり有名ではないのですが、東野圭吾さんの本ではかなり気に入っているものです。

夢幻花」と似ている展開なので、「夢幻花」を読む前にできれば読んで
欲しいと思います。








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