大沢在昌 無間人形 新宿鮫W







直木賞受賞作です。
個人的にも新宿鮫シリーズで一番気に入っている話です。


アイスキャンディという錠剤の覚せい剤が新宿で流行します。
そのアイスキャンディから話がどんどんと発展して行きます。


鮫島はアイスキャンディの製造元、密売ルートを追って行きます。
筈野浩という19歳の若い売人を見つけ、鮫島は追跡を続けます。

筈野はなかなか取引をしませんが、取引現場を押さえようとした鮫島に邪魔が入ります。
関東信越地区、麻薬取締官事務所が鮫島の妨害をします。

麻薬取締官も筈野を追っていました。

鮫島にこの事件から手を引けと迫ります。


しかしこの麻薬取締官事務所には塔下(とうげ)という人物がいました。
鮫島の理解者となる人物です。

鮫島と塔下はこの後、何度も接触することになります。


結局鮫島は麻薬取締官事務所から妨害を受け、筈野を逮捕することができませんでした。
筈野はその麻薬取締官事務所が逮捕します。


鮫島はこの件から手を引かされそうになりますが、鮫島が引き下がるわけがありません。
鮫島はこの事件を追い続けます。


一方、アイスキャンディの密売ルートの話も進みます。
当然ながら暴力団が絡んできますが、暴力団と取引しているのは香川進という香川家の次男です。

香川家はある地方の県において、絶大な力を持っており、そこで誰も香川家には逆らえません。
その香川家の次男がアイスキャンディ製造、密売を行っていたのです。

この次男、そして長男である昇が話に絡んできます。



また、鮫島の恋人、晶も事件に巻き込まれます。
晶はバンドのツアーで、偶然にも香川家のいるその町を訪れます。

その町には、晶の昔のバンド仲間、国前(くにさき)耕二がいました。
耕二はスナックで働いており、その店で晶が歌うことになりました。

また耕二には平瀬、石渡という仲間がいて、この3人が香川家に接触しようとします。
特に平瀬は元やくざで、本気で香川家に立ち向かおうとします。


この3人は、香川家が覚せい剤を扱っていることを知り、その裏を取ろうとして、香川兄弟を追跡します。
そして証拠を掴みます。
証拠をもとに香川家をゆすって、大金を得ようとします。




この話は、アイスキャンディを中心にしたもので、そこに香川家、耕二たち3人、そして鮫島、麻薬取締官
さらに晶と絡んできます。



これだけ人物が絡んでくると強引さが出るものですが、強引さはなく自然と話は進んで行きます。


徐々に話は核心に近づいてきます。


香川家のいる町で話は展開して行きます。
もちろん新宿ではないのですが、鮫島は恋人、晶がいることもあり、その町に向かいます。



香川家の次男、進と取引している藤野組の対立。
その進の覚せい剤中毒のひどさ。

進の兄、昇の存在、そして昇の計算。

平瀬を中心にした香川家を追う3人の行動、そして3人の仲の結末。

晶の運命、鮫島の救出劇、と手に汗握る話が最後まで続きます。



特に耕二の仲間である平瀬が大きなカギを握ります。
平瀬は本物の悪で、3人の仲がおかしくなります。


話は一旦解決に向かいますが、最後に逆転が待っています。
香川家が大きな存在だったのですが、最後には平瀬が出てきます。


そして平瀬とともに行動していた石渡(いしど)という男の正体も分かります。
脇役だった石渡が実は重要な存在だったのです。


鮫島は晶を救出に向かいますが、どうなるのか、最後までハラハラドキドキの展開が続きます。
どんな結末が待ち受けているのか、読んで確かめて下さい。


さすが直木賞受賞作、と思わせる内容です。


最後の展開はスピード感があり、本当に読んでいてハラハラドキドキさせられます。



個人的には、文句なしの直木賞受賞作だと思います。









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