東野圭吾 夢幻花







20027月から20046月まで「歴史街道」に連載していたものでしたが
それを元に約
10年後に改めて書き下ろされたものです。

話が新しくなっているということは読めばすぐ分かります。
また内容も濃くなっています。


これは「夢幻花」を追いかける話となります。


プロローグ12から話は始まります。
いきなり何のことかよく分からないのですが、これが伏線になり
最後に何なのかがはっきり分かります。


こういう話の展開は「むかし僕が死んだ家」と同じです。
プロローグから始まり、エピローグで終わるという展開です。
途中は全て伏線と言える展開です。



プロローグを読んだだけでは何なのか全く分からない、という話です。
とにかく読み進めて下さい。



蒲生(がもう)家、秋山家、伊庭(いば)家という3つの家族が
中心になり話は進んで行きます。


この話も家族の話になります。


秋山梨乃という女性の従兄である鳥井尚人がある日自殺します。
この自殺から話は本格的に進んで行きます。

これは自殺なので事件ではないのですが、自殺の裏にあることが
大事になります。


そして秋山梨乃の祖父である秋山周治が出てきます。
花が好きで、自宅でも花を植えています。


この秋山周治がある日自宅で殺されます。
花が好きな周治が殺され、しかも家にあった黄色い花が盗まれます。


殺人犯と花の行方を追いかける展開が続きます。
そしてこの殺人と鳥井尚人の自殺が関連してきます。


東野さんらしく、一見すると何のつながりもない話が徐々に一つに
まとまる展開になっています。


また、主人公の一人と言える秋山梨乃は水泳選手で、元オリンピック候補でした。
しかしスランプがあり水泳を辞めます。

こういう話が出てきますが、東野さんには母の義兄の弟の孫という遠縁に
あたる萩原智子という水泳選手がいます。


かなり遠い関係ですが、この秋山梨乃は萩原選手をイメージしていると
思われます。


また蒲生家の次男の蒼太は大学生になりますが、東大阪市の大学に通います。
そして大学を卒業し、大学院に進みます。
理系で専攻は物理エネルギー工学です。


東野さんは大阪出身で理系でもあります。
東野さん自身の経験を踏まえているとも言えます。


さらに殺された秋山周治は帝都大学の出身です。
帝都大学はガリレオと同じとなります。
さすがにガリレオは出てきませんが、ガリレオと同じ大学というのが気になります。
なお帝都大学について、ここでは突っ込んだ話は出てきません。



この「夢幻花」はどこか東野圭吾総集編のような感じがあります。
東野さんらしいところが多くあり、読んでいて楽しくなります。

東野さんのことを知っているとさらに楽しめる話です。


話は「夢幻花」に関することで、それで人が亡くなります。
そして色々な人の繋がりも分かってきます。


全く繋がりがなかった人たちが、実は繋がっていました。
どう繋がるのかは、最後まで読むと分かりますが、最後の最後で
プロローグの意味が分かるようになっています。


最初は読んでも分からないプロローグですが、最後の最後で
どういうことなのかはっきりと分かります。

また「夢幻花」というタイトルの意味も分かります。
単なる花ではありません。
単なる花なら、殺人など起こりません。

「夢幻」という言葉がその花の意味を表しています。
一体どういう意味がある花なのか、読んで行って下さい。



これはプロローグの意味が大事になる話と言えます。
プロローグの意味が分かるまで、とにかく読み続けて下さい。


最後の最後で大逆転というのが東野さんの特徴でもありますが
これは最後の最後でプロローグの意味が分かる、という話になります。

東野さんが力を入れて書いたということが分かる話です。
読む方もある程度力を入れて読んで欲しいと思います。


読み始めた時は、少し疲れ、読み進める気があまり起こりませんでしたが
徐々に話が分かり始めたので、そのまま一気に最後まで読みました。

最後まで読ませる展開はさすが東野圭吾さんです。
最初は我慢して読み、途中から話に乗って最後まで読んで下さい。







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