東野圭吾 魔球







東野さんの事実上のデビュー作です。
25歳の時に書き上げ、江戸川乱歩賞の最終候補まで行った作品です。


これは高校野球をテーマにしています。
そして時代は昭和39年となります。
昭和39年ということを意識していないと、理解ができなくなるので
この時代を意識して下さい。



千葉県の開陽高校が話の中心で、その野球部は春の選抜に出場します。
1回戦で敗退しましたが、エースの須田武志が魔球を投げます。
その須田とバッテリーを組んでいたのが北岡明です。


北岡がある日、殺されます。


北岡の殺人事件が話の中心になりますが、もうひとつ別のところで
爆弾騒ぎがあります。

一見すると繋がりのない2つの事件ですが、この2つの事件が一つに
繋がってきます。


また東野さんらしく、エース須田の家族も重要になってきます。
須田は母親と1つ下の弟との3人暮らしで、父親は既に亡くなっています。

母子家庭で育てられ、須田は高校生ながら、一家の大黒柱のような
雰囲気が既にあります。


須田の家族の真実が大きく影響してきます。

実は須田は弟と母親とは血が繋がっていません。

須田は違う両親がいたのですが、生みの母親は亡くなり
父親は行方不明です。

この家族環境が大きく話に影響してきます。

須田の家族中心に話が進むと言えます。
須田の本当の父親の存在も大事になります。



やはり東野さんの話なので、家族の話が中心となって行きます。


その須田ですが、実は、ある日突然亡くなります。
開陽高校のバッテリーが相次いで亡くなったことになります。


2つの殺人事件があり、また爆弾騒ぎがあり、さらには誘拐事件もあります。
この事件全てが最後には繋がります。


意外な人物が犯人で、意外な事実が隠されていました。



東野さんの事実上のデビュー作ですが、話はしっかりとまとまっている
印象を受けました。

最後の最後で真実が分かるという展開になっており最後まで読ませる
話になっています。


話も読みにくいことはなく、最初の作品とは思えないくらい完成しています。
個人的にはデビュー作「放課後」よりも良かったです。


高校野球を扱っていますが、野球に詳しくない人でも読める話です。
東野さんらしく家族の話になっています。
また時代をしっかりと意識して下さい。

昭和39年の話です。







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