団鬼六 真剣師 小池重明の光と影







今はもうない真剣師で生きた小池重明という男の話です。
真剣師とは賭け将棋で生計を立てる人のことで、完全な博打です。
もちろん違法ですが、昔の日本には数多く真剣師がいました。



目次


プロローグ               5ページ
 
第1章 さらば、小池重明      23ページ

第2章 果たし合い          55ページ

第3章 鬼六エッセイ
   天衣無縫の男・小池重明   125ページ

第4章 小池よ、あなたは悪かった 159ページ

第5章 自叙伝 小池重明      171ページ
 




小池重明に関する本で、団鬼六作です。
団鬼六は将棋好きとして知られ、数多くのプロ棋士とも交流がありました。

アマチュアとも交流があり、晩年の小池重明とも交流というか、接点がありました。
団と小池重明の関わりを中心に書いたものです。


小池重明は44歳で亡くなります。
その間色々と人に迷惑をかけ続けます。

人妻との駆け落ち3回、借金は数え切れず、アルコールにおぼれ、定職にも付かず
ダメな男でした。


しかし将棋だけは別で、天才的な強さを見せました。
大して将棋の勉強、研究もせずにプロを破る強さを持っていました。


将棋は毎日の学習、研究がとても大事なものです。
少しでも怠ると実力が落ち、とてもプロには勝てません。

小池重明はアルコールにおぼれ、借金で苦しみ、とても将棋どころではないのですが
いざ将棋が始まると、異常な強さを見せ、強豪を倒し続けました。

常識では考えられない強さを持った天才でしたが、それ以上に人間としてダメなので
人生では大失敗をし続けました。


とにかく金には汚い男です。
人の金を平気で盗み、ギャンブルにつぎ込み、すぐ借金をする、ということを
常に繰り返していました。


団鬼六も小池に痛い目に遭った人物です。
団と小池の交流は決して良好ではありません。
むしろ逆で、団は小池を嫌っていました。

しかし小池がしつこく団鬼六邸にやって来るので、小池を追い払うために将棋をさせることになります。


アマチュアの強豪と小池が将棋をし、小池が負ければ二度と団鬼六邸には
顔を見せない、という約束で小池に将棋をさせます。

その将棋に小池は勝ち続けます。


団鬼六邸に顔を見せる前、小池は将棋らしい将棋をしていないのですが
ブランクを全く感じさせずに、勝ち続けます。

常識では考えられない強さです。

団鬼六は焦りますが、アマチュアの強豪を破り続け、小池を追い払うことができません。
小池の天才的な強さの前に、誰も歯が立たないのです。


しかし小池も負ける時がやってきます。
ついに負け、団鬼六邸を去る時がやってきます。


小池はその後焼肉屋の店長として働くことになります。
真剣師から足を洗い、ようやくまっとうな人生を進むと思われましたが
その焼肉屋で人妻と出会い、駆け落ち、またしてもダメな人生を歩むことになりました。

駆け落ち後、団鬼六邸を訪ね、事の次第を説明します。


結局、団と小池は縁が切れずに、その関係は小池の最期まで続きます。


駆け落ちしてからしばらくして、小池は体調を大きく崩し、余命幾ばくもない
状態になります。

結局は亡くなるのですが、亡くなる直前に団は小池を自宅に呼び、アマチュアの強豪と
将棋をさせます。
その将棋でも小池は勝ちます。


将棋に関しては本当に天才的な強さを持っていましたが、人としては全くダメな
男でした。


天才のダメな人生を知りたい人に向いている本です。


なお将棋の難しいことを知らなくても楽しめます。








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