東野圭吾 ガリレオシリーズ 禁断の魔術







透視す(みすかす)

曲球る(まがる)

念波る(おくる)

猛射つ(うつ)



この4つが収められている短編集です。
ガリレオ最終作となります。


「虚像の道化師」で終わらず、この禁断の魔術は書き下ろされました。
それだけに内容は濃いです。





透視す(みすかす)




透視の話になります。
透視の種明かしになりますが、その裏には色々な事情があります。


あるホステスが殺されます。
そのホステスは店で、透視マジックで人気を集めていました。

その透視マジックをガリレオも経験し、驚きます。


ホステス殺人と透視マジックは繋がっていますが、このホステスの家庭環境が
話のメインとも言えます。


犯人は捕まります。
しかし話は終わりません。


話は亡くなったホステスと家族との関係になります。
まず透視マジックの種をガリレオが明らかにし、そして家族関係も明らかになります。

ホステスと家族の関係を読んで下さい。
最後は少し感動が待っています。




曲球る(まがる)




戦力外になったプロ野球選手の話です。
その選手の妻が殺されます。

この事件自体は、結構あっけなく犯人が分かるのですが、その亡くなった
妻が生前何をしていたのかが大事になります。


また、この選手はピッチャーで、戦力外になります。
しかし現役続行の意志があり、トレーニングを続けます。

そこでガリレオが手を貸します。

物理学を応用し、このピッチャーにアドバイスをします。
このピッチャーがどうなるのかまでは書かれていないのですが
少なくとも、復活の兆しは出てきました。


また妻が裏で何をしていたのかが大事です。
夫に隠れてしていたこととは何なのか、読んで確かめて下さい。




念波る(おくる)




御厨(みくりや)という苗字が出てきます。
御厨という苗字は、「むかし僕が死んだ家」でも出てきます。
どういう訳か、御厨という苗字が復活しました。


御厨籐子(とうこ)、若菜、春奈の3人の話です。
若菜(姉)、春奈(妹)は双子で、籐子は叔母になります。

籐子と春奈は一緒に住んでいて、若菜は結婚し、2人とは離れて
生活しています。


ある日、若菜が何者かによって殺されます。
春奈はその時、何か嫌なものを感じます。


いわゆるテレパシーというものですが、双子独特の何かを感じ取り
春奈は、若菜に何かあったのではないかと感じます。


遠くに離れているのに、どうして感じることができたのか、ガリレオが
解明して行きます。


テレパシーがあるかどうかということですが、話では犯人も捕まり
その裏事情も分かります。


事件は解決、ということですが、ガリレオの協力があったので
事件は解決します。



どういう協力をしたのかは読んで下さい。
ガリレオらしい協力と言えます。




猛射つ(うつ)




ガリレオシリーズ最後の話です。

この「禁断の魔術」はこの話のためにあると言えます。

ページ数も約150あり、この本の半分近くを占めています。
短編ではない話です。

ガリレオが殺人を犯すのか、という話です。


古芝(こしば)伸吾というガリレオの高校の後輩に当たる19歳の
青年が復讐に燃えます。


伸吾には姉の秋穂がいました。
その秋穂がある日亡くなります。


最初は死因が分かりませんでしたが、子宮外妊娠で卵管破裂に
伴う出血多量によるショック死であることが分かります。

秋穂は不倫をしており、相手は大物政治家でした。
その大物政治家の前で秋穂は亡くなります。


大物政治家は秋穂を助けようと思えば助けられましたが
逃げ出し、助けることはしませんでした。

伸吾はこの事実を知り、姉を殺したとして、大物政治家の命を狙います。


この伸吾とガリレオの繋がりですが、2週間だけガリレオは伸吾に
指導を行っています。

わずか2週間だけですが、教え子ということになります。


また話全体では内海が多く出てきます。
やはり最後の話は草薙ではなく、内海の方が良いということだと思います。


実際、ガリレオと呼吸が合うのは内海です。
草薙はそれほど出てきません。
最後も内海が出てきます。


ガリレオはもちろん事件解決に向かうのですが、責任を取るという
形で、伸吾の代わりに大物政治家の命を狙おうとします。


最後は本気で命を狙っているかのようになります。
最後は結構迫力がある場面が続きます。


命を狙ったガリレオがどういう行動をとるのか、しっかりと読んで下さい。
最後の最後がメインです。


この話はガリレオシリーズの最後となります。
最後に相応しい話だと思います。

虚像の道化師」ではこんな終わり方はできません。
「禁断の魔術」で終わりで良かったと思います。


ガリレオの決意、ガリレオと警視庁との関係を考えると、もう話は
続かないと思われます。

ガリレオがどう事件を決着し、どういう終わり方をするのか読んで下さい。


「禁断の魔術」という本のタイトルもこの話で分かります。
ガリレオシリーズを最初から順に読んで、最後にこの話を読んで下さい。







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