横山秀夫 顔 FACE 







陰の季節の「黒い線」に出て来た平野瑞穂が主人公の短編集です。
全て瑞穂が中心ですが、警察組織が分かる内容と言えます。

瑞穂は似顔絵婦警として任務に当たっていましたが、「黒い線」の出来事以来、半年間休職し
D県警秘書課の広報公聴係に配属されました。

瑞穂は色々な経験をして行きます。

横山さんの短編なのでしっかりと話はまとまっています。


プロローグ」では小学校1年時の瑞穂のタイムカプセルが出てきます。


魔女狩り」は横山さんらしく新聞記者の話です。
女性新聞記者と瑞穂の話が中心です。
新しい配属先で任務をこなす瑞穂を読んで下さい。


決別の春」では、瑞穂は捜査一課犯罪被害者支援対策室「なんでも相談テレホン」の
電話相談員に任命されます。


連続放火事件があり、ある若い女性から電話がかかってきます。
瑞穂は電話をしてきた女性に会い、再び似顔絵を描くことになります。

この女性は何か裏がありそうです。
瑞穂の似顔絵から事実が徐々に分かって来ます。



疑惑のデッサン」は、まさに「黒い線」と同じような話です。
しかし今回の似顔絵は事情が異なります。

犯人の似顔絵は瑞穂が描いたのではなく、三浦真奈美が描きました。

犯人そっくりの似顔絵です。

あまりにも似ている似顔絵ですが、もちろん裏事情があります。
その裏事情とは・・・


共犯者」は銀行強盗の訓練の話しです。
銀行強盗の訓練中に、違う銀行で本物の強盗が押し入ります。

訓練と全く同じ時間に、違う銀行で強盗が入ったことから、情報漏れが疑われます。
瑞穂も疑われます。

警察は身内に対して厳しく疑いをかけます。

この強盗事件の裏には予想外の事実がありました。
共犯者は誰で、その事実は何なのか最後に分かります。


心の銃口」は100ページを越える話です。
瑞穂は捜査一課の高松婦警が産休に入ったことで、その代わりに強行犯捜査係に配転となります。

そこで瑞穂は射撃訓練をし、拳銃を身に付けることになります。
この拳銃の扱いがこの話のテーマです。

警察マニアを追いかけるのですが、警察マニアが意外な人物で、警察マニアと警察が繋がっていた、という話です。
そして瑞穂が犯人に向かって拳銃を撃つかどうか、という場面がやって来ます。

瑞穂は撃てるのでしょうか?

警察と拳銃の関係も分かります。


エピローグ」では瑞穂は鑑識に戻ったことが分かります。
つまり、また似顔絵を描くのです。




この「顔FACE」は、他の警察小説とは雰囲気が異なります。
横山さんらしくないとも言えますが、違った話を読むことができます。

警察組織内での女性の立場を知ることができます。








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