大沢在昌 風化水脈 新宿鮫[







新宿鮫シリーズ第8作です。
発表順では第7作となります。


話の順では第8作目なので、第7作を読んだ後に読んで行って下さい。


この話では、新宿という街の歴史を知ることができます。
特に必要がない説明とも言えますが、新宿という街をより深く知ることができます。

また歴史を感じさせる話となっています。


タイトルは風化水脈ですが、「風化」と「水脈」に分けることができます。
風化は歴史的なことを感じさせ、水脈はその名の通り水です。



話は鮫島と藤野組の組員、真壁が再開するところから始まります。
真壁は第1作で少し出て来た人物です。

その真壁は刑務所に入っていたのですが、出所してきました。
出所したばかりの真壁と鮫島が偶然出会うところから話は本格的に始まります。



また新宿鮫シリーズですが、主人公はこの真壁と言えます。

真壁が最初から最後まで出てくるので、常に真壁に注目して読み進めて下さい。



話ですが、鮫島は車の窃盗団を追っています。
中国人と真壁が所属する藤野組が関わっている事件です。

真壁はこの車の窃盗をしている中国人と因縁がありました。



しかし真壁はこの窃盗には関わっていません。
藤野組の別の人間が中国人と一緒に車の窃盗を繰り返しています。

真壁の知らない所で藤野組と中国人が繋がりを持っていました。



真壁と中国人の因縁は少しずつ明らかになって行きます。



鮫島はその窃盗事件の犯人グループを追っている最中に、怪しい古家を見つます。
そこを監視するため、
古家を見ることが出来る向かいの駐車場に行きます。


その駐車場には管理人がいて、管理人室で駐車場を監視しています。
その管理人と鮫島が出会います。


この管理人はある目的を持って、この駐車場の管理をしていました。
管理人の話もとても大事になってきます。


真壁の話、駐車場の管理人の話が続きます。
この2つは別々の話ですが、意外な展開を見せ、間接的に繋がってきます。



管理人は真壁とは何の関係もありません。
車の窃盗とも無関係です。
しかし管理人と怪しい古家とは繋がっていました。


管理人は大江という75歳の老人で、何か過去があります。
その過去が何なのか分からなかったのですが、徐々に分かってきます。


大江という老人は元警察官でした。
そしてあることがきっかけで退職をしています。

この大江の過去と古家が繋がります。
そして古家ではやはり車の窃盗団が出這入りをしていました。


車の窃盗団の話よりも、大江の過去の話の方が大きくなって行きます。
大江は元警察官でありながら、ある事件の犯人をかばっていました。

この事件はかなり昔のことなので時効ですが、その昔の事件が、真壁に繋がってきます。


話は




中国人と藤野組の車の窃盗

大江という老人の過去

真壁の存在





この3つが繋がって行きます。
真壁は車の窃盗には関わっていません。
そして大江とも面識がありません。


しかし大江が知っている昔の事件と今の真壁が繋がってきます。


そして真壁は車の窃盗をしている中国人たちとも接点を持ってきます。
真壁と中国人は繋がってはならなかったのですが、ついに繋がりを持ち、大きな事件へと発展して行きます。



また話の途中で、鮫島の敵、仙田が出てきます。
仙田は深見と名乗り、真壁の恋人と知り合います。

真壁の恋人はホステスをしており、その店で深見こと仙田と真壁の恋人が繋がります。
しかし仙田は真壁の恋人を取ろうという気はありません。


それどころか仙田は真壁の恋人と色々と話をして、相談役となります。
話からすぐ仙田と分かるのですが、仙田は事件には直接関わりません。

良い脇役となって話を盛り上げて行きます。


話は終わりに近づき、全てが分かります。



真壁と中国人の因縁、そして結着、また大江の過去、大江が隠していた秘密、こういうものが全て分かります。



新宿鮫シリーズですが、真壁と大江が主人公とも言える話です。
風化水脈というタイトルも分かるようになっています。


新宿の歴史と重ね合わせている点も面白いです。


最後はもちろんハードボイルドらしい展開が待っています。
しかし真壁がどうなったのか、大江が過去何をしたのか、ということが大事です。

この話では鮫島は、どちらかと言えば脇役です。
真壁、大江という2人に注目して下さい。







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