東野圭吾 犯人のいない殺人の夜







7つの話が収められている短編集です。
あまり注目されていませんが、東野さんの短編集の中ではかなり読み応えがある
ものが揃っていると言えます。




小さな故意の物語





高校の男子生徒が、屋上から転落し亡くなりました。
自殺か事故なのか、ということでしたが、この転落にはやはり裏がありました。


この男子生徒の親友と恋人が真相を突き止めようとします。
そして真実が分かります。

自殺か、事故か、それとも何なのか、最後に分かります。
小さな故意の意味も分かります。




闇の中の二人




萩原信二という中学生の弟がある日自宅で亡くなりました。
弟はまだ3か月でした。

当然捜査が開始され、犯人を捜すことになります。

東野さんらしく家族の話になります。
信二の家族は父親、母親、信二、弟の4人家族でしたが
母親は信二とは血が繋がっていません。

母親と信二の関係が大事になってきます。
最後で真犯人も、事件の真相も分かります。




踊り子




男子中学生の孝志が女子高生に片思いをする、という話です。
孝志は塾の帰り、ある女子高の新体操部に所属していそうな彼女に一目惚れします。

それから孝志のかわいらしいアタックが始まります。
しかしこのアタックが裏目に出ます。

ある日を境に、彼女の姿が見えなくなりました。
そこには、彼女の大きな裏事情がありました。

そして間接的に孝志も関わっていました。

中学生の切ない恋の話で、最後まで読ませる内容となっています。
ページ数は少ないですが、中身の濃い話です。




エンドレス・ナイト




田村洋一が大阪で亡くなった、という知らせを妻の厚子が東京で受けます。

厚子はすぐ大阪に向かい、夫の死を確認します。
この厚子は大阪が嫌いです。
しかし大阪嫌いには理由があります。

厚子と洋一の夫婦関係も大事になります。
最後には犯人と厚子の大阪嫌いの理由も分かります。

東野さんは大阪出身なので、東野さんの特徴が出ていると言えます。




白い凶器




タイトルが大事な話です。
人が亡くなるのですが、これは復讐です。

白い凶器に対する復讐となります。
誰がなぜ、どうやって復讐をして行ったのか読んで下さい。

悲しい現実が事件の裏にありました。




さよならコーチ




実業団の女子アーチェリー選手が自殺をします。
その自殺の様子がビデオに収められていました。

ビデオを手掛かりに、この自殺を警察が疑い始めます。
自殺にはもちろん裏があったのですが、アーチェリー経験者の
東野さんらしい話と言えます。

この女子選手は五輪を狙える選手だったのですが、五輪には
行けず、落ち込んでいました。
そこで自殺をした、ということです。

アーチェリー、そして実業団の実情もこの話で知って下さい。




犯人のいない殺人の夜




岸田家で、安藤由紀子という女性が亡くなります。
岸田家は、岸田創介、妻の時枝、息子の正樹、隆夫の
4人家族で、隆夫の家庭教師として、拓也と雅美の2人がいます。

安藤由紀子の死体をどうするのか、またこの事件をどう処理するのか
という話になります。

由紀子には兄がいて、すぐ兄が妹を探しに岸田家にやってきます。
家族の者は必死に嘘をつき、由紀子の兄を追い返します。

由紀子の死体は山中に埋めましたが、すぐに見つかってしまいます。


死体が発見されてから話はさらに進みます。
そして最後には逆転が用意されています。

予想できない最後の逆転があるので、最後まで読んで下さい。
東野さんらしい終わり方になっています。




この本は7つの短編から成りますが、読み応えのあるものが揃っていると言えます。
それぞれページ数は少ないですが、中身は濃いです。
東野さんらしさが出ている短編集と言えます。

7つ話があるので、時間をかけてそれぞれの話を味わって下さい。







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