東野圭吾 幻夜







「白夜行」と似た話です。
続編とも言われていますが、続編と思うかどうかは読んだ人次第と言えます。

個人的には最初読んだ時は「白夜行」の続編だと思いました。
しかし読み直してみて、続編ではないと思いました。

色々な読み方ができる話です。
続編かどうかは読んで確かめて下さい。



話は「白夜行」と同じで男女2人が中心です。
美冬と雅也の2人が中心となり話が進みます。

話の展開は「白夜行」と基本的には同じです。
女が男を上手く利用し、女だけが成功し男は失敗する、という話です。


美冬と雅也は阪神大震災の時に出会いました。
雅也は地震直後の混乱に紛れて、借金返済を頼みに来た叔父を殺します。
その殺人の瞬間を美冬は見ていました。

この時から2人の運命は決まったと言えます。


美冬は地震で両親を亡くし、一人になってしまいました。
雅也は地震前から一人です。


この2人は秘密を抱えながら行動を共にし、間もなく上京します。
実は美冬には大きな秘密があったのですが、雅也は何も気が付いていません。
美冬の大きな秘密は最後に分かります。


上京してからの話は、「白夜行」と似ています。
美冬のために雅也が動く、ということになります。


上京しても2人とも無職ですが、そこは美冬が何とかします。
美冬は宝飾品店に就職し、そして雅也は町工場に就職します。
この雅也の就職の時、裏で美冬が動いていました。

雅也はそのことを知らずに、就職します。

雅也は美冬に利用されていたのですが、そのことに気付かずにずっと過ごします。


雅也と美冬は上京後も常に繋がりを持っていました。
この点は「白夜行」とは異なります。

美冬と雅也がどんなやり取りをしていたのか、全て分かるようになっています。
美冬がどんな女性なのかも分かりますが、内面までは分かりません。

美冬の話し方や考え方が分かる分、「白夜行」の雪穂とは違う人物であると考えることもできます。


美冬、雅也ともに関西出身で、2人だけになると関西弁で話します。
雅也は上京後も関西弁で話していましたが、美冬は普段は標準語で話しています。


美冬の周りで、色々な事件というか出来事が起こります。
それらは全て美冬が仕組み、裏で雅也が動いていました。

雅也は美冬の言う通りに動いていました。


そして美冬の秘密がばれそうになった時、美冬と雅也は秘密を知っている人物を始末しようとします。
美冬が上手く指示をし、雅也が実行します。
雅也は何でも美冬の言う通りに動きます。


美冬はどんどんと成功を収めて行きます。
雅也は町工場勤めでしたが、その町工場も不況のあおりから潰れます。

美冬はまた、美容院経営にも乗り出します。
青江という男性美容師を引き抜き、美容院経営を始め、成功して行きます。
美冬は本当にサクセスストーリーを歩んで行きます。


さらに美冬は秋村隆治(たかはる)という男性と結婚します。
雅也はこの結婚に反対でしたが、美冬は結婚します。

秋村は有名宝飾品店「華屋」の社長で、美冬は社長夫人になりました。
この結婚に愛などありませんでしたが、美冬は社長夫人になるために結婚しました。


この結婚後も美冬と雅也の関係は続いて行きますが、雅也は相変わらず美冬の言いなりで
美冬の指示に従い続けます。



ある日、美冬の義理の姉である頼江が、美冬に友人が全くいないことから美冬を疑い始めます。
そこで美冬の過去を調べに京都まで行こうとします。

この時既に雅也は頼江と出会っていました。
もちろん美冬の指示があったからです。

この京都行きに雅也は同行します。



実はこの京都行きは、美冬に内緒でした。
雅也は自分で美冬の過去を探りに京都まで行きました。


そこで美冬の過去が分かります。
雅也に隠していた衝撃の過去が明らかになります。


美冬の過去を知った雅也は美冬に騙されていたことに気付き、復讐をしようとします。
この幻夜では、雅也対美冬という話に最後はなります。


最後は雅也が美冬に復讐をしようとする展開になります。

そこで今までのことが色々と明らかになります。

裏でどう動いて、何があったのかが分かってきます。



雅也は本当に美冬の言いなりでした。
雅也は美冬と深い仲になったつもりでしたが、美冬にはその気はなかったのです。
美冬は雅也を完全に利用し、自分だけが成功を収めて行きました。


秋村社長夫人になってから、美冬はさらに成功を収めて行きます。
雅也との距離は遠くなり、雅也からは美冬が見えなくなって行きます。

美冬は自分の成功だけを考えて生きてきました。
利用できるものは全て利用するという考えを持っています。

雅也が気が付いた時には、時既に遅し、でした。


雅也は何とかして美冬に復讐しようとします。
しかしもう一人美冬を追っている人物がいました。

その人物と雅也が最後はぶつかることになります。



美冬と雅也が好対照になって話は終わります。
美冬の怖さ、雅也の悲しさを読んで下さい。


また最後まで読んで、白夜行と幻夜の関連を考えて下さい。
続編と取ることもできますし、違う話と理解することもできます。


なお、白夜行を読んでから幻夜を読んで下さい。








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