横山秀夫 深追い







三ツ鐘署の話です。
横山さんの小説では、警察はW県警などアルファベットになっていることが多いですが、ここでは
三ツ鐘署と具体的になっています。





深追い


交通課、事故係主任の秋葉健治巡査部長の話です。


秋葉はある交通事故を扱います。
男性が死亡したのですが、その男性の妻が秋葉の元恋人だったのです。

秋葉はその元恋人の元を訪ねますが、そこからこの事故の裏にある事実に迫ります。
この元恋人の高田明子は何か隠し事があります。

そして明子と事故で亡くなった夫との間には、事情がありました。


秋葉はこの事故の核心に近づき、この事故の裏にあった事実を知ります。
秋葉はまた、明子に気持ちが傾きますが、明子は秋葉の気持ちを受け入れません。

最後には「深追い」の意味が分かるようになっています。




又聞き


刑事課、鑑識係の三枝達哉が中心の話です。

三枝は15年前の7歳の時、海で溺れかけますが救助され助かります。
しかし達哉を助けようとした2人の大学生のうち、一人が亡くなりました。

この15年前の事故の話になります。


達哉は警察になり、日ごろから鑑識係として写真と向き合っています。
この写真の知識が15年前の事故の真実を見抜いて行きます。

15
年前の事故には裏がありました。
達哉はあまり覚えていなかったのですが、警察の鑑識係になったおかげで、15年前の事故の裏にあった
真実を知ることができました。


その真実とは何だったのか、読んで行って下さい。




引き継ぎ


盗犯一係の主任、尾花久雄が中心の話です。
泥棒を捕まえられるかどうか、という話なのですが、警察官同士の張り合いの話でもあります。

「既届盗犯等検挙推進月間」という時期で、窃盗犯罪の検挙件数を競っている時の話です。

ある若い泥棒を追いかけているのですが、そこに違うベテランの泥棒が入って来ます。
何が何でも尾花は犯人を捕まえたいのですが、その尾花と競い合っているライバルがいます。

犯人を捕まえるのはどちらなのか、ということもありますが、若い泥棒とベテランの泥棒の関係も大事になります。

まさに「引き継ぎ」です。

どっちがどっちを捕まえたのか読んで下さい。




訳あり


警務係長の滝沢郁夫の話です。
これはいわゆるキャリアが引き起こした話でもあります。

捜査二課長の森下雅典の女性問題です。
森下はキャリアでまだ20代です。

若いからこそ、女性問題に気を付けなければなりませんが、森下が女性のマンションに
通っているというタレコミがあります。


この女性問題を解決しようと滝沢が動きます。

森下と女性の関係ですが、予想外の事実がありました。
また、この問題をタレこんだのは誰か、という謎もあります。

最後は全て分かりますが、まさに「訳あり」の話です。




締め出し


少年係の三田村厚志巡査の話です。
三田村は少年たちを取り調べていました。

その時、強盗殺人事件が起こります。

パチンコ店の両替所で女性が殺されました。
犯人は車で逃走中で、警察は犯人を追いかけます。


その途中、目撃者らしく老人が現れます。
しかしこの老人は、少々痴呆が入っています。

この老人が実は大きな存在になります。
また三田村の過去、友人関係も最後には大事になります。

事件はどう解決し、三田村の人間関係はどうなるのか読んで下さい。




仕返し


的場彰一次長の話です。
的場の子供も大きく関わって来ます。

的場の息子は、名門私立中学の受験をする予定です。
そして的場は人事異動で県警本部に戻り、警視に昇進する見込みです。

ある日、ホームレスが亡くなります。
通称「ポンちゃん」という警察も知っているホームレスでした。

ホームレスが亡くなったことくらい大きな事件ではないのですが、実は大きな事件に発展してきます。


このホームレスが亡くなった場所が問題になります。
一体どこで亡くなったのか、究明が始まります。

ホームレスが亡くなった場所と、的場と的場の息子が繋がって来ます。
ホームレスが亡くなった場所が大きな問題となり、警察の人事に影響してきます。

そして警察の子供たちも親の影響を受けています。

警察組織、警察官と家族の問題をテーマにしています。
タイトルの仕返しは、最後の方で分かります。

しっかりとした仕返しがありました。




人ごと


40ページの短編です。
会計課の課長、西脇大二郎が中心の話です。

会計課なので、殺人事件などは扱いません。


ある日、小銭入れの落とし物が届けられます。
この小銭入れを持ち主に返しに行く話です。

落とし主はすぐ分かり、多々良巌という70過ぎの老人でした。
多々良は娘が3人いますが独り暮らしです。

その住まいは高級マンションで、質素な暮らしとは無縁です。


多々良は娘たちとは上手く行っておらず、疎遠になっています。
西脇にとっては多々良の家族の話など、まさに人ごとですが徐々に人ごとではなくなって来ます。


多々良はある意志を持って小銭入れを落としました。
そして高級マンションに住んでいる理由もありました。

また娘たちに対する想いも分かって来ます。


西脇は最後に多々良の考えを知ることになります。
多々良の考えとは何なのか読んで下さい。







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