東野圭吾 加賀恭一郎シリーズ 悪意







加賀恭一郎シリーズの第4作です。


人気作家、日高邦彦が殺されます。
容疑者は、友人の野々口修と日高の妻です。


最初の頃は容疑者を絞り切れませんでしたが、ほどなく犯人を
逮捕します。


犯人逮捕で事件は解決に向かうと思われましたが、その犯人の動機が不明です。
この話は動機に焦点を当てています。


犯人の動機が不明のまま話は進みます。
犯人は分かっているのですが、事件に隠された真実とは何なのか推理しながら
読み進んで行くことになります。


一旦犯人の動機が分かりかけますが、最後の最後で大逆転があります。
最後の大逆転は東野さんの真骨頂ですが、この話では本当の大逆転と言える
結末を迎えます。


どういう動機があり、どんな真相が裏にあるのか、最後まで読んで確かめて下さい。






以下ネタバレ含む




犯人は野々口修です。

野々口と加賀は実は繋がりがあり、同じ中学の教師をしていました。
加賀も昔、中学校で社会の教師をしており、野々口はその時の先輩に当たります。

野々口も加賀同様教師を辞め、今は児童向けの作家をしています。


2人は先輩と後輩の関係でもあり、犯人と刑事の関係でもあります。
最初は、加賀は野々口のことを「先生」と呼んでいました。


しかし徐々に「あなた」に変わります。


さらに野々口と殺された日高は同級生で、同じ中学校に通っていました。
その時の話が事件に繋がります。

中学時代にいじめがあったのですが、野々口と日高の関係だけでなく、他の生徒との
関係も大事になってきます。

中学時代のことが殺人事件へと繋がります。





また、加賀の中学教師時代の話も出てきます。
なぜ教師を辞めたのか、この本で分かります。

加賀が教師を辞めた理由も、簡単に言えばいじめとなります。
いじめとどう向き合ったのか読んで下さい。




話の中心は野々口の動機ですが、それはタイトルの「悪意」に繋がります。
具体的なことは読んで確かめて欲しいですが、最後まで読むと「悪意」の意味が分かります。


野々口の巧妙なトリック、加賀の事件の解明の仕方は、読者を惹きつけると思います。
しかし個人的には、野々口のトリックというか動機が少し強引かと思います。

最後まで読んでも、何か少し納得できません。

日高を本当に殺したいほどの動機だったのか、という疑問も起こりました。




この話は東野さんらしく、最後まで一気に読めると思います。
最後の大逆転をどう思うのかは読者次第です。

犯人の大逆転ではなくて、動機の大逆転です。
この話は動機の話です。
大逆転を期待しながら読んで行って下さい。






第5作「私が彼を殺した」

加賀恭一郎シリーズ

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